【保険料を滞納する前に】国民年金の免除と猶予のやり方を知っておこう

保険料を滞納する前に国民年金の免除と猶予のやり方を知っておこう

こんにちは!ずしみです。

今回は、国民年金の支払いが厳しい方には必見の「保険料の免除と猶予」のやり方について詳しく解説します!

国民年金は強制加入の公的年金制度ですが、保険料は毎月1万6千円弱とかなり高額です。

ですが、この保険料を免除したり、支払いを猶予することができる制度があるって知っていますか?

朝チェン君

えっ!国民年金って免除とか猶予ってできるんですか?国民年金って20歳から加入しなきゃいけないじゃないですか?正直、学生にはかなりきつい負担だと思ってたんですけど。。

ずしみ

そうだよね。でも、そんな学生のために「学生納付特例制度」といって、在学中の保険料を猶予してくれるしくみがあるんだ。他にも、所得が少ない人には、保険料の免除申請ができるんだよ。

朝チェン君

そ、それは知らなかったー!解雇とかで収入がなくなっちゃった人とかには、めちゃめちゃ助かりますね!

ずしみ

そうなんだ。負担がキツくて滞納した場合、後から納めるには2年以内という期限があるんだ。でも、免除申請などなら期限が10年間まで延長できるからね。

朝チェン君

そ、そうなんですね。収入がなくなった時のためにも、これはちゃんと知っておいた方が良さそうですね。

ずしみ

そうだね。後から年金額を増やそうと思っても、納付できないとどうしようもないからね。詳しく説明するから、しっかり理解しておこう!

朝チェン君

ラジャです!

国民年金保険料の免除と猶予

保険料の免除と猶予は、主に以下があります。

法定免除第1号被保険者本人が障害年金受給者や生活保護受給者
に適用。全額免除となる
申請免除第1号被保険者本人または被保険者の属する世帯や世帯
の配偶者が、経済的理由や災害等で保険料を納めるのが
困難な場合に適用。免除には「全額免除」「4分の3免除」
「半額免除」「4分の1免除」の4種類がある
産前産後期間の
免除
第1号被保険者本人が出産を行った場合、出産前後の
一定期間の保険料が免除される
学生納付
特例制度
第1号被保険者である学生本人が申請をして承認を
受ければ、在学中の保険料の納付を猶予される制度
納付猶予学生を除く50歳未満の第1号被保険者が申請して
承認を受ければ、保険料の納付を猶予される制度
保険料の免除と猶予

朝チェン君

思ったよりけっこう種類があるんですね!出産による免除があるのは意外でしたね!

ずしみ

ちなみに「産前産後期間の免除」は、保険料を免除されたけど、実際に納付したものとして年金額に反映されるよ。いろいろ知っておいて損はないから、ぜひ理解しておこう!では、それぞれ説明していくね!

朝チェン君

よろしくお願いしまっす!

法定免除

法定免除とは、障害がある方や生活保護を受けている方が保険料を全額免除することができる制度です。

申請ができる人は以下になります。

  1. 生活保護の生活扶助を受けている方
  2. 障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている方
  3. 国立および国立以外のハンセン病療養所などで療養している方

上記に該当する人は、市町村役場にて「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出することで申請ができます。

なお、法定免除における以下ポイントについても理解しておきましょう。

ポイント
免除期間についての老齢基礎年金の額は、1/2で計算されます。免除期間を満額にしたい場合は、追納することが可能です。

申請免除

申請免除とは、所得が少なく経済的理由で保険料を納めることが困難な方が、保険料を免除することができる制度です。

申請ができる人は以下になります。

  1. 所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下であること
  2. 失業した場合
  3. 上記1、2の経済的理由により保険料の納付が困難であること

上記に該当する人は、市町村役場にて「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を提出することで申請ができます。

所得によって、どの程度の免除になるかは、以下を参考にしてください。(日本年金機構のホームページより参照)

  1. 全額免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
  2. 4分の3免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  3. 半額免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  4. 4分の1免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

なお、法定免除における以下ポイントについても理解しておきましょう。

ポイント
免除される額は「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」があります。免除の割合によって、免除期間の年金額が変わります。また、免除期間については、10年以内の追納が可能です。

免除期間は、国民年金の年金額に反映されます。どのように反映されるかは、以下関連記事を参考にしてください^^

【自分の年金額知ってる?】国民年金受給額の求め方を解説 【自分の年金額知ってる?】国民年金受給額の求め方を解説

産前産後期間の免除

産前産後期間の免除とは、出産予定日または出産日が属する月の前月から、4カ月間の国民年金保険料が免除される制度です。

多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3カ月前から6カ月間の国民年金保険料が免除されます。

申請ができる人は以下になります。

  • 国民年金第1号被保険者」で出産日が平成31年(2019年)2月1日以降の方

産前産後期間免除は、市町村役場にて「国民年金被保険者関係届書(申出書)」を提出することで申請ができます。また、申請は出産予定日の6ヶ月前から申請が可能です。

なお、産前産後期間免除における以下ポイントについても理解しておきましょう。

ポイント
産前産後期間の免除制度は、免除期間も保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。また、すでに国民年金保険料免除・納付猶予、学生納付特例が承認されている場合でも届出が可能です。

ちなみに、産前産後期間は国民年金の「付加年金」の保険料も納付することができます。「付加年金」について詳しく知りたい方は、以下記事を参考にしてください^^

フリーランス必見!月額400円で年金受給額をUPできる付加年金とは? 【フリーランス必見!】月額400円で年金受給額をUPできる付加年金とは?

学生納付特例制度

学生納付特例制度とは、20歳以上の学生において在学中の保険料の納付を猶予することができる制度です。

申請ができる人は以下になります。

  1. 20歳以上の学生であること ※学生の定義は以下
    大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する方で夜間・定時制課程や通信課程の人
  2. 学生本人の本年度の所得が一定以下の場合 ※所得の基準は以下
    118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

学生納付特例制度は、市町村役場にて「国民年金保険料 学生納付特例申請書」を提出することで申請ができます。

なお、学生納付特例制度における以下ポイントについても理解しておきましょう。

ポイント
障害基礎年金や遺族基礎年金を受給する場合、条件として一定の納付期間が必要ですが、学生納付特例制度の場合、猶予期間は対象期間としてみなされます。基本的に、学生の場合、加入したばかりのため国民年金の納付期間が短くなりますが、この制度を申請していれば、もしもの時でも障害基礎年金や遺族基礎年金を受給することができます。

納付猶予

納付猶予とは、所得が一定以下の方の保険料の納付を猶予することができる制度です。

申請ができる人は以下になります。

  1. 20歳から50歳未満であること
  2. 本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下であること

納付猶予が申請できるかどうかは、前年所得が以下の範囲内であるかで判断されます。

  • 前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

納付猶予は、市町村役場にて「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を提出することで申請ができます。

なお、納付猶予制度のポイントについても理解しておきましょう。

ポイント
猶予期間は、年金額へは反映されませんが受給資格期間には反映されます。また、猶予期間の保険料は10年以内であれば追納が可能です。

まとめ

  • 国民年金保険料には、免除と猶予ができる制度がある
  • 法定免除は、障害者や生活保護受給者向けの免除制度
  • 申請免除は、所得が少なく経済的理由で保険料を納めることが困難な人向けの免除制度
  • 産前産後期間の免除は、出産する人向けの免除制度
  • 学生納付特例制度は、在学中の学生向けの納付制度
  • 納付猶予は、一定以下の所得の人向けの猶予制度

朝チェン君

けっこういろんなパターンで免除や猶予をしてくれるんですね!すごく勉強になりました!

ずしみ

それはよかった。免除や猶予によって、年金額には影響が出てくるけど、受給資格期間としてはみなされるからね!ここはけっこう重要なポイントだよ!また、申請したことで、後から10年以内での追納もできるようになるから、絶対に知っておいた方がいい知識だよ!

朝チェン君

そうですね!申請すれば、遺族基礎年金とか障害基礎年金の受給資格期間に含まれるのも大事なポイントですね。

ずしみ

そうだよね。だからこそ、経済的に保険料負担が厳しい人は、滞納ではなく、免除や猶予の申請をすることをオススメするよ!やって損はないからね。

朝チェン君

そうですね!大変勉強になりました!

国民年金保険料の「免除と猶予」の制度の内容はいかがだったでしょうか?

免除と猶予の制度はとてもメリットが大きいので、保険料の負担がきつい人はぜひ申請すると良いと思います。また、経済的に余裕がでてきたら、追納で年金を満額に近づけていくのがベターですね。

ぜひ、制度の内容を理解して、今後に活用していってください^^
ではまた!