【会社を辞めるその前に】失業手当の受給条件を確認しておこう

【会社を辞めるその前に】失業手当の受給条件は大丈夫?

こんにちは!ずしみです。

今回は、会社を辞めたいと思っている方必見の、「失業手当の受給条件」について解説します!

次の転職先が決まるまでの生活費を、失業手当で過ごそうと考えている方は、辞める前に受給条件の確認をオススメします。

最悪、受給条件を満たす直前で辞めてしまう可能性があるためです。

朝チェン君

ずしみさん、失業手当って会社員は必ずもらえるものじゃないんですか?だって雇用保険の手当なんですよね?

ずしみ

実は、失業手当をもらうには条件があるんだ。人によって手当がもらえる上限も変わるし、自己都合退職だと、もらえるまでに時間がかかることもあるんだよ。

朝チェン君

そ、そうなんですか。それは知らなかった。辞める前に、一度冷静になって条件を確認しておいた方が良さそうですね。

ずしみ

そうだね、1ヶ月早く辞めるだけで、手当がガクッと少なくなることもあるから、しっかり確認しておこうね。

受給条件は複雑なものではないので、内容を理解して、もしものために備えましょう^^

そもそも失業手当とは?

失業手当とよく聞きますが、これは正式名称ではありません。実際は、雇用保険の求職者給付のうち、”基本手当“のことを指します。

求職者給付の基本手当とは
被保険者が、定年・倒産・解雇・自己都合などにより離職し、失業した際に支給される給付金

事業主は、1人でも従業員を雇用している場合は、雇用保険の加入が必須です。

そのため、従業員として雇われている方は、雇用保険に加入していることになります。個人事業主(フリーランス)は雇用保険がありませんので、ご注意ください。

稀に、小さな会社で雇用保険に加入していないケースがありますので、面接前に、求人票などをしっかり確認しておきましょう。

朝チェン君

雇用保険って会社員だけだったんですね。意外と手厚い保証なんですね。

ずしみ

そうだね、だからこそ転職先が決まる前に辞める場合は、受給条件をちゃんと確認しておいた方がいいよ。

基本手当の受給条件

失業手当(基本手当)を受給するためには、次の条件を満たす必要があります。

年齢65歳未満
受給資格期間原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して
12ヶ月以上あること
失業の認定住所地を管轄するハローワークに来所し、求職の申し込みを
行い失業の認定を受けること(この日が受給資格決定日
待機期間受給資格決定日から7日間は待機期間として、基本手当は
支給されない
給付制限自己都合退職の場合、待機期間の7日間に加え、原則として
3ヶ月間、基本手当は支給されない
基本手当の受給条件

特に注意する必要があるのは、以下2点です。

  • 離職日以前2年間に、雇用保険に12ヶ月以上加入していること
  • 自己都合退職の場合、ハローワークでの失業認定(受給資格決定日)から7日間+3ヶ月間は、基本手当が支給されない

以下図にしましたので、こちらで支給までの流れを確認しましょう。

基本手当支給の流れ
基本手当支給の流れ

例えば、新卒で入社して1年未満で退職した場合は、基本手当がそもそも支給されません。たとえ1年以上経ってから退職しても、自己都合退職の場合は、3ヶ月間の給付制限があるため、要注意です。

朝チェン君

けっこう条件があるんですね。たまに1年以内で辞める人がいますけど、11ヶ月とかで辞めるのは、ちょっと微妙ですね。

ずしみ

病気などの場合は別だけど、計画的に辞めようと思っている人は、受給条件を満たすことをオススメするよ。

基本手当日額

基本手当日額は、離職日から6ヶ月に遡った賃金を元に計算するため、人によって異なります。

まず、賃金日額を以下計算式で求めます。

賃金日額の計算式
賃金日額 = 被保険者期間であった最後の6ヶ月間の賃金総額(賞与を除く) ÷ 180

次に、基本手当日額は、以下計算式で求められます。

基本手当日額の計算式
基本手当日額 = 賃金日額 × 45〜80%(離職時の年齢と賃金日額によって異なる)

基本手当日額は、年齢に応じて上限額が決まっています。以下が現在(令和2年8月1日現在)の上限額です。

30歳未満6,850円
30歳以上45歳未満7,605円
45歳以上60歳未満8,370円
60歳以上65歳未満7,186円
基本手当日額の上限額

賃金日額には賞与は含まれませんし、賃金日額が満額もらえるわけではありませんので、注意しましょう。

朝チェン君

満額でもらえるわけじゃないんですね。しかも上限があるのか〜。

ずしみ

正確な基本手当日額は、実際にハローワークに行ってからじゃないと分からないけど、どの程度の金額になるかはざっくりでも把握しておいた方がいいよ。

基本手当の所定給付日数

基本手当を支給する日数の上限を「所定給付日数」といいます。

所定給付日数は、雇用保険の被保険者期、離職理由や年齢によって異なります。

特に、退職理由によって大きく差が出ますので、次の表から自分はどれくらいの日数になるのか確認しておきましょう。

一般離職者(自己都合や定年により離職した人)

被保険者期間1年未満1年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
所定給付日数– (なし)90日120日150日

1年未満での離職は、所定給付日数がゼロ(なし)のため要注意です。

上記を知らずに、ギリギリ1年に届かずに辞めることのないよう、計画的な退職をオススメします。

特定受給資格者及び特定理由離職者

特定受給資格者と特定理由離職者とは、主に以下の方です。

特定受給資格者
倒産や解雇により離職した者

▼特定理由離職者
期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者。または、妊娠、出産、疾病、体力低下、介護など正当な理由で離職した者。

特定受給資格者及び特定理由離職者の所定給付日数は以下です。被保険者期間が1年未満であっても、給付対象となります。

被保険者期間1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
年齢30歳未満90日90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日210日240日

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲については、以下ハローワークのホームページで掲載されています。自己都合退職と思っていても、人によっては対象となる場合がありますので、よく確認しておきましょう。

リンク:ハローワーク/特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

基本手当の受給期間

受給期間とは、基本手当を受け取ることができる期間のことをいいます。

受給期間について知っておくべきポイントを以下にまとめました。

  • 受給期間は原則として、離職した日の翌日から1年間
  • 基本手当は、受給期間中に所定給付日数を上限として支給される
  • 受給期間が経過すると、所定給付日数が残っていても基本手当は支給されない
  • 妊娠、育児、疾病、親族の看護等を理由に30日以上就業できない場合は、その期間(最長3年間)を受給期間に加算(延長)することができる

妊娠や疾病等で延長する場合は、最寄りのハローワークに申請が必要です。30日以上就業ができない場合は、早めに申請を行いましょう。

朝チェン君

1年の制限があるんですね。離職後しばらくしてからハローワークに行と、所定給付日数が残っちゃう可能性がありますね。

ずしみ

そうだね。特に自己都合退職の人は、3ヶ月間の給付制限があるから、離職後はすぐにハローワークで失業の認定を受けることをオススメするよ。

朝チェン君

いや〜だいぶ勉強になりました。ムカつく上司がいるんですが、受給条件が整った後で、倍返ししたいと思います!

ずしみ

いや、辞めるときは「飛ぶ鳥跡を濁さず」の方がいいよ。怒りや憎しみはブーメランみたいに、いつか自分に戻ってくるからね。

朝チェン君

で、では2分の1返しで…

ずしみ

それなら我慢しとけ

まとめ

  • 失業手当とは、雇用保険の求職者給付のうち、”基本手当”のことを指す
  • 受給条件のポイント
    離職日以前2年間に、雇用保険に12ヶ月以上加入していること
    自己都合退職の場合、ハローワークでの失業認定(受給資格決定日)から7日間+3ヶ月間は、基本手当が支給されない
  • 基本手当日額は、離職日以前6ヶ月間の賃金(賞与を除く)をベースに計算される
  • 所定給付日数は、被保険者期間、退職理由や年齢によって異なる(自己都合退職の場合、被保険者期間が1年未満はゼロのため注意)
  • 基本手当の受給期間は、原則1年間

失業手当の受給条件はいかがでしたか?

失業手当は、失業者の生活を助けてくれる手当です。会社を辞める前に一度は受給条件について確認しておくことをオススメします^^
ではまた!