【銀行が破綻したらどうなる?】あなたのお金を守るセーフティネットのしくみを解説

【銀行が破綻したらどうなる?】あなたのお金を守るセーフティネットのしくみ

こんにちは!ずしみです。

今回は、銀行が破綻した場合でも預金が保護される「セーフティネットのしくみ」について解説します!

ご存知の方もいるかもしれませんが、銀行などの金融機関や証券会社の預金や有価証券などは、破綻した際に全額保護されません。

ただし、一部を保護するしくみとしてセーフティネットがあります。

セーフティネットのおかげである程度は保護できますが、全額ではありません。そのため、銀行や証券口会社に口座を開く場合は、経営状況に問題があるところは避けておいた方が良いです。

しくみを知っているのと知らないのでは、資産を守る上で大きく差が出ます。

日本のセーフティネットのしくみをしっかり理解して、大事な資産を守っていきましょう^^

朝チェン君

え、経営破綻時ってそもそも預金とか全額保護されないんですか?

ずしみ

そうだよ、それも意外と上限が低いからね。経営状況が怪しい金融機関に多額の預金をするのは危険だよ。しくみをしっかり理解して、大事な資産をちゃんと守って行こうね。

朝チェン君

ラジャです!

日本のセーフティネットのしくみ

そもそもセーフティネットとは、以下のしくみのことを言います。

セーフティネットとは
金融商品の取扱金融機関が破綻した場合に、預金者、投資者、保険契約者などの資産や契約を守るしくみのこと

このセーフティネットは、主に以下3つの制度があります。

  1. 預金保護制度
  2. 投資者保護基金制度
  3. 保険契約者保護機構制度

金融商品や取扱金融機関によって、どの制度が適応されるかが変わります。

では、1つずつ見ていきましょう。

預金保険制度

預金保険制度とは
金融機関が破綻したときに、1金融機関につき預金者1人あたり元本1000万円までと破綻日までのその利息が保護される制度

基本的に、預金保険制度によって1000万までは保護されますが、以下預金については全額保護されることになっています。

決済用預金:無利息、要求払い、決済サービス提供の3条件を満たす預金

また、預金保険制度の対象となる金融機関と、金融商品を次にまとめましたので、しっかり確認しておきましょう。

保険対象となる金融機関

【対象】金融機関対象外】金融機関
日本国内に本店のある銀行や信用金庫、労働金庫など国内銀行等の海外支店、政府系金融機関、外国銀行の在日支店
なお、以下も保険対象外となる
・農林中央金庫
・農業協同組合(JA)
・漁業協同組合
・水産加工業協同組合
など
預金保険制度の対象金融機関

農林中央金庫やJAなども対象外となりますが、これらは農水産業協同組合貯金保険制度(1組合ごとに預金者1人あたり元本1000万円と破綻日までの利息が保護される)の対象となっています。

保険対象となる預金・金融商品

【対象】金融商品【対象外】金融商品
・預金
・定期積金
・元本補填契約のある金銭信託
・財形貯蓄や確定拠出年金の積立金
の運用に関わる預金
など
外貨預金
・譲渡性預金
・元本補填契約のない金銭信託
・保護預かり専用商品でない金融債
など
預金保険制度対象の金融商品

外貨預金は対象外ですので、注意が必要です。

名寄せによる合算

「名寄せ」とは、同一人物の複数の預金を合算して、預金保険制度で保護する金額を算出することを言います。

同じ金融機関に複数の預金がある場合、「名寄せ」によりそれらの預金を合算した総額から1000万円までが保護されるため、注意が必要です。

例えば、定期預金800万、つみたて定期預金が500の場合、合算すると1300万ですが、保護されるのは1000万までとなります。

個人事業主の場合でも、名寄せで合算されるため注意しましょう。なお、法人は別扱いとなるため、個人法人それぞれで保護されます。

名寄せについて詳しく知りたい方は、以下日本保険機構のリンクでご確認ください。

リンク:日本保険機構/名寄せのイメージ

朝チェン君

合算した総額から1000万円までしか保護されないんですね。。一箇所にまとめておくのって危険な気がしてきました。

ずしみ

預金も金融商品の1つだからね。大手は大丈夫かもしれないけど、経営状況が怪しい銀行などに集中して預けるのは、あまりオススメできないね。

朝チェン君

ちゃんと、預ける銀行のこともよく知っておかないといけないですね!

投資者保護基金制度

投資者保護基金制度とは
証券会社が一般顧客の有価証券や預託金を円滑に弁済することが困難な場合に、日本投資者保護基金が保護する制度で、補償額の上限は1000万円までとなる

証券会社は、顧客から預かった(入金された)お金は、証券会社と通して信託銀行に預けています。これを「顧客分別金信託」と言います。

「顧客分別金信託」により、証券会社自身の財産と明確に分けて管理しているため、もし破綻した場合でも預けた預金や有価証券は基本的に全て保護されます。

ただし、証券会社の違法行為などで「顧客分別金信託」が正しく行われなかった場合は、1000万円を上限に保護されることとなっています。

また、保護の対象となる金融商品を次にまとめましたので、しっかり確認しておきましょう。

保護対象となる金融商品

【対象】金融商品【対象外】金融商品
・株式(外国株式を含む)
・債権
・投資信託(外貨建て債権、外貨建てMMFなど)
・信用取引の委託保証金
・店頭デリバティブ取引
・FX取引
・銀行などが扱う投資信託
(銀行は投資者保護基金の会員ではないため)
投資者保護基金制度の対象となる金融商品

朝チェン君

FXとかも対象外なんですね。そういえば、FXってあんまり知らない会社名が多かった気がするなぁ。

ずしみ

設立してまだ新しい会社は注意が必要かもしれないね。でも、こうやってしくみを知ると、資産をどうやって守るか考えるようになったでしょう?

朝チェン君

そうですね、預金って安全と思ってましたが、預け先もちゃんと考えることが大事だって思いました。

保険契約者保護機構制度

保険契約者保護機構制度とは
保険会社が破綻した場合に、被保険会社の保険契約の移転などにおける資金援助等を行うことにより、保険契約者などの保護を目的とした制度。この制度を運営する機構は保険業法に基づき設立された法人である

日本国内で保険を取り扱う全ての生命保険会社・損害保険会社は、保険契約者保護機構に加入する義務があります。(正確には、生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構に加入)

生命保険会社などは、機構の会員となることで、万が一の破綻時に保護の対象となることができます。

保護の対象となる会社や保険、支払補償制度を次にまとめましたので、しっかり確認しておきましょう!

保護対象となる保険会社・保険

対象】
保険契約者保護機構の会員
【対象外】
保険契約者保護機構の非会員
・国内で保険を取り扱う全ての生命保険会社、損害保険会社
・国内で保険を取り扱う日本国外に本店がある保険会社
・かんぽ生命
・銀行などの窓口で契約した保険
・各種共済(全労災、都道府県民共済、JA共済、COOP共済など)
・少額短期保険業者
保険契約者保護機構制度の保護対象

破綻時の支払補償制度

保険会社が破綻した場合、補償対象となる保険契約は次の内容で補償されます。

生命保険の補償内容

補償の対象補償割合
全ての保険契約
(最低保証のない変額保険などの
特別勘定部分や再保険を除く)
破綻時点の責任準備金の90%

補償割合ですが、責任準備金の90%までであり、保険契約内容の90%ではないため、ここは注意が必要です。

ちなみに、責任準備金とは以下のことを言います。

責任準備金とは
将来の保険金や給付金の支払いを確実に行うために、保険会社が保険料や運用収益などを財源として積み立てる準備金のこと

朝チェン君

責任準備金の90%ってことは、どれだけ補償されるか、正直当てにならないんじゃないですか?

ずしみ

そうとも言えるね。だからこそ、こういう普段表に出ない情報はしっかり押さえておこう!

朝チェン君

そうでうね。いや〜知らないって、けっこう怖いことなんだなぁ。

ずしみ

(深く頷く)。最後に損害保険の補償内容も押さえておこう!

損害保険の補償内容

保険の種類対象となる契約者補償割合
損害保険自動車保険 ※1全契約者80%
※破綻後3ヶ月間は補償100%
火災保険 ※1個人、小規模法人、マンション管理組合
その他の損害保険
疾病・障害に関する保険保険期間1年以内の短期傷害保険、海外旅行傷害保険全契約者
年金払型積立傷害保険
保険期間1年超の傷害保険
その他の疾病・傷害保険
全契約者90%
※積立型保険の場合、積立部分は80%

※1 自動車保険の自賠責保険と、火災保険の地震保険は、保険金及び解約返戻金は補償割合100%

まとめ

  • セーフティネットとは、金融商品の取扱金融機関が破綻した場合に、預金者、投資者、保険契約者などの資産や契約を守るしくみのこと
  • セーフティネットには3つの制度がある
     預金保護制度
     投資者保護基金制度
     保険契約者保護機構制度
  • それぞれ補償対象と対象外がある
  • 補償額や補償割合には上限があり、基本的に元本全額は補償されない
  • 制度のしくみを理解し、資産の預け先をよく考える

セーフティネットの制度の内容はいかがでしたか?

万が一の場合、セーフティネットのおかげで一部の資産は守ることができます。しかし、基本的に全額が補償されるわけではありません。

大切な資産を失わないためにも、しっかり内容を理解しておきましょう^^
ではまた!